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カプセル内視鏡 開発ストーリー

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カプセル内視鏡の生みの親である理学博士のガブリエル・J・イダン氏に、開発のきっかけと、製品化に至るまでの長い経緯について尋ねました。

開発中のカプセル内視鏡

開発中のカプセル内視鏡

「カプセル内視鏡の開発は1981年に開始しました。当時、私は電子光学機器のエンジニアであり、その頃、消化器系の専門医 Eitan Scapa先生と知り合い Scapa先生から内視鏡の優れた技術と、その欠点を教えていただきました。その欠点とは、小腸内部の病態を観察する方法が存在しないということです。そこで、私は小腸内部まで診断することができる新しいデバイスを作ろうと思い立ちましたが、当時はまだ、それを具現化するためのアイデアが全くない状態でした。

まず私は小腸内部を観察する方法をいくつか考えました、そのひとつが内視鏡からカメラヘッドを切り離し、小さなワイヤーケーブルでつなげておく方法です。しかし、その方法は小腸への侵襲を伴うものであり、人体に危険が生じる可能性があるので断念しました。  ある日、アイデアの一つから従来と異なる画期的な方法を思いつきました。それは、ラジオトランスミッターをミニチュア化して、小腸からケーブルなしで直接画像を送信する方法です。ですが、それは当時の技術では実現できない方法でした。

小腸を可視化するための開発途中のアイディア

小腸を可視化するための開発途中のアイディア

しかし1992年に、技術面の問題を解決する3つの重要なテクノロジーが開発されました。そのひとつがNASAのCMOSカメラ、2つ目がスウェーデンのASIC無線送信機、そして3つ目が日本の白色LED照明です。これら3つの技術を合体させることで、1993年11月にカプセル内視鏡を具現化するためのほぼ全ての概念について考えがまとまりました。

ノートに記したカプセル内視鏡の初期のアイディア - 1993年

ノートに記したカプセル内視鏡の初期のアイディア – 1993年

その後、外部から生体内の画像撮影を可能とするために、画像撮影に適するラジオ波の波長を実験で解明し、我々はついに特許を取得することができました。

そして、2000年に「Nature」に論文が掲載されました。
結局のところ、カプセル内視鏡の開発開始からアイデアが完成するまで10年、カプセル内視鏡がFDA(アメリカ食品医療品局)の許可を取るまでの年数では、20年以上もかかってしまったことになります。

それまでの小腸検査の常識を覆す、この革新的な検査機器は、2001年のFDA認可以降、瞬く間に多くの医療機関で取り入れられました。現在では、小腸疾患診断用のカプセル内視鏡のみならず、大腸疾患診断用のカプセル内視鏡も発売され、世界80カ国以上で使用されています。

「失敗を恐れず、信じることを追求し続けることが、成功するための唯一にして確実な道。20年以上もの月日は決して遠回りではなかったと、今になって強く感じています。」とガブリエル・J・イダン博士は語っています。